多くのバリキャリ女子にとって、子供を作るかどうか、子供を作るタイミングというのは、悩みなのではないでしょうか。
必死で就活し、勝ち取った就職後も、同期との競争の毎日。毎日残業しながら、休む間も惜しんで仕事をしたり、せっかく取れた休みの日もスキルアップにいそしんだり。やるからには、一生懸命やりたいし、上を目指したい。そう言っている間にあっという間に年月は経っていく。
いつか子供は欲しいけど、そうなると現場を離れなくてはならない。復帰してからも、数少ない女性社員の先輩を診ていると、どうやら仕事と育児の両立は簡単ではなさそうだ。
そして何より、立ち止まると同期から遅れてしまうのではないか、昇格のチャンスを逃してしまうのではないか。子供を産んで育てるためには、自分はキャリアを諦めなければならないのか。
著者自身、そんな葛藤の中、東京の大手企業で6年以上、総合職として働き、「いつか子供は欲しいけど」と思いながらも、面と向かって「いつ」という問いに自分から向き合うことを避けていました。 今日はそんな著者が、海外移住して現地企業で数年働き、どのように子供を作るタイミングを決めたのか、体験談をまとめてみたいと思います。
きっかけ:自立したキャリア観の構築
チェコ・プラハの現地企業(本社は他国にあり)に転職したことにより、①同期との横並びの競争、②会社や社会から与えられたキャリアステップ、という考え方から発想転換することができました。
ヨーロッパの企業では、新卒一括採用という発想はないので、たくさんの競争相手である“同期”はどこにもいませんでした。
即戦力をポジションごとに採用していくヨーロッパの企業では、スタート地点が人によって異なるため、そもそも「社員が目指すべき一般的なキャリアステップ・ゴール」のようなものが存在しません。より上のポジションが欲しければ転職する、ということが珍しくないのも頷けます。
どんなキャリアを積みたいか、どんなペースで積みたいか、は本人にゆだねられている。キャリアは結局本人次第、そういう環境に立たされた時、仕事から離れることの不安がなくなりました。 そして、もう一点、不安が軽減された要素としては、ヨーロッパでは、ジョブディスクリプション(職務記述書)がポジションごとに規定されており、書かれていないことはやらないし、(一定の期間内の育休であれば)本人との同意なく職務内容が変わることがない、ということです。休職して復帰たらポジションが変わっていた、ということを心配しなくていい。それは大きな安心材料でした。
キャリアの展望とスキルアッププラン
自分が人生をかけてどんなキャリアを築いていきたいのか。結局会社はあてにならないし、あてにする意味もあまりない。そうはいっても、休んでいる間にとんでもない技術革新が起きて、キャッチアップできてなかったらどうしよう、という不安はありました。 そんな不安に対処するために、自分が今までに蓄積してきた経験とスキルを整理し、職場を離れている間、現場にいなくても収集できる情報や知識、習得しておきたいスキルなどをまとめ、計画しておきました。
年齢
タイミングを決める上で一番重要だったのは、やはり年齢でした。高齢出産になると出産リスクは確実に上がる。産むなら後〇年が勝負だ、という事実を突きつけられた時に、踏み切る決意をしました。
これに関しては、唯一後悔があるところです。決して遅すぎたわけではないですが、ぎりぎりまで意思決定できなかったこと、踏み切るまでに十分な情報を収集しておかなかったことを後々になって後悔しました。
年齢と共にリスクが上がる、ということは知っていても、どの程度、どんなリスクが上がるのか、ということをもう少し詳しく知っていたら、もう少し早く意思決定することができていたかなと、思います。
家族計画
自分の年齢と、夫と相談しながら作った家族計画を照らし合わせた時に、結局何歳までに産まなければならないか、ということが明確になりました。妊娠~出産までの期間はもちろん、複数子供が欲しい場合には、次の妊娠までにどれぐらいの期間を置くかという点を色んな観点から考慮しておく必要があるため、計画は、立てるに越したことはないかなと思いました。
夫との協力関係の構築
現場から離れる期間を焦りなく、日々前向きに過ごすうえで欠かせなかったのは夫との協力関係の構築だと思います。情報収集やスキルアップを育児と並行してやっていくというのは、そう簡単ではないというのが実感です。金銭的にも時間的にも理解があって、協力してくれる関係を構築しておけるかどうか、というのは、不安なく育児期間を過ごせるか、ということに直結しています。
資金の準備・助成金の試算
キャリア女子あるあるかなと思うのは、経済的自立がなくなることへの不安ではないでしょうか。家族としてやっていけるかどいうか、という不安はもちろんあるのですが、「自立がなくなる」ことへの不安があったのも事実。育児休暇期間中、収入がなくなっても不安にならない程度の貯蓄や、もらえる助成金の試算をしておき、不安を取り除いておく準備をしました。
最後に
妊娠・出産・育児について十分な情報を得ること。組織や周りの人間との関係性から離れて、個人としてのキャリアイメージを作ること。そして協力関係も含めて準備を整えること、不安の芽を一つ一つ取り除いたことで、出産・育児は何かを諦めなければならないという先入観を払しょくすることができたのかなと思います。
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